2015年1月25日日曜日

パソコン黎明期とプログラムの放送..そしてARMのお話し

私が初めて手にして使い込んだパソコン(当時はマイコンと呼んでいたかもしれない)はNECのPC-8001というマシンであった。当時はHDDはおろか、FDD(フロッピーディスクドライブ)ですら普及しておらず、自分で作った、あるいはマイコン雑誌に掲載されたプログラムを打ち込んだのを、本体の外に接続されたカセットテープレコーダーに音声として記録したものである。

カセットへのセーブとロードはなかなか信頼性の低いもので、一応カセットにセーブした後はベリファイとかするのだが、それでも、後日記録したものをロードしようとすると、エラーになってしまい、TONEつまみで音質やVOLUMEつまみで音量を調整しながら何べんでもリトライしたものであった。しかし、何時間もかけて作ったプログラムが二度と読み込めないこともあり、泣くに泣けない気分に陥ったものである。

これに関しては、本当かどうかはわからないが、レコーダーの録音時の回路で使っている反転増幅器の段数と再生時の回路での反転増幅器の段数が違うとき、段数の差が奇数の場合に、再生時に位相が反転してしまうので、エラーが出るような事を言う人がいたが、真偽のほどはよくわからない。

PC-8001の場合はカセットレコーダーが別売りだったので、純正品ではなく安いのを買ってきて使っていた。製品間の相性とかもあったかもしれない。当時の対抗製品でシャープのMZ-80というディスプレイもカセットテープレコーダーも一体型になった製品は、そういう問題は少なかったのかも知れない。

で、話が変わるが、最近英語力の低下を感じて、通勤時にPodcastでBBC Global Newsを聞いている。何週間か前に、何の話題の時か忘れたが、パソコン黎明期に、プログラムを放送で送信していたころがあると言っていて、耳を疑ってしまった。まあ、カセットテープに録音できるように音声化しているのだから、放送できてもおかしくはない。

この事をふと思い出して、裏を取ろうかと調べてみたが、情報は引っ掛かってこなかった。しかし、面白いことが分かった。当時BBCにはBBC Computer Literacy Projectというプロジェクトが存在し、パソコンの普及を行う活動を開始していたそうである。そこで1981年にテレビ番組 The Computer Programmeを開始するのにあたり、そこで使用されるパソコンを仕様化するためAcorn Computerが開発したAcorn Protonを採用しBBC Microcomputerとして販売したそうである。

このコンピューターは英国で大ヒットし150万台も売れたそうである。おそらくBBCの放送メディアとのタイアップと、もともとタイプライターで培われたキーボード文化も普及に後押しをしたのだろう。CPUはMostekの6502(2MHz)が使われていた。(名機Apple IIも6502だった) この製品に使われていたCPUの後継として開発されたのがARMで、これは現在スマホやタブレット(iPhoneでもAndroidでも)で広く使われている。

先の「プログラムの放送」という話も、このBBC Microcomputerに絡んだ話なのかも知れない。

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