つい最近読んだ記事でこんなタイトルのものがありました.. 「自殺者数、6年連続で減少 15年2万3971人」リンクはこちらです。6年連続ということは2010年から減少しているということですね。かつては年間3万人を超えていましたが、なんと2万4千人を切る水準にまで減少してきました。これはこれで喜ばしいことだと思います。
減少の要因としてはいろいろ考えられますが、一つには景気の回復という要素が挙げられるでしょう。2008年のリーマンショックで一度どん底に落ち込んで、そこからの回復。そして2011年の東日本大震災からの復興需要。そして2012年の暮れから始まる第2次安倍内閣による(正確には日銀の黒田総裁による)異次元の量的緩和を含む、いわゆるアベノミクスによる景気回復と、経済にはプラス要因が続き、景気は回復基調です。(今後の事は不透明ですが)
ということで、景気と自殺率との間に相関があるのかを、ちょっと調べてみました。昔だと図書館に赴いて、3か月~半年遅れの統計データを探してきて..とやったものでしたが、今は便利な世の中になって、各種の統計データもインターネットで簡単に手に入ります。 たとえば「e-Stat」という「政府統計の総合窓口」サイトがあり、詳細な各種統計データにアクセス可能です。リンクはこちらです。
次は景気ですが、景気の指標は各種ありますが、自殺と関連しそうな指標として完全失業率を調べてみました。で、1980年以降の完全失業率のグラフはこちらです。
ううむ、自殺率と完全失業率と、関係がありそうで、そうでもないような感じはありますね。2010年以降のトレンドは大体一致していますが、2007年くらいに完全失業率がガクッと下がっているのに自殺率にはあまり影響したいないような感じです。また1994年以前は完全失業率が今よりも低水準だったのに自殺率は結構高かったりします。
これは横軸を自殺率に、縦軸を完全失業率にとって、毎年の値をプロットしたものです。全体の傾向もみると、自殺率と完全失業率との間に関連がありそうに見えます。こういった場合、数値的に分析するために相関係数というものを計算します。真面目に計算するとちょっと面倒なのですが、今はエクセルで関数(pearsons)簡単に計算することができます。
相関係数の説明はこちらのリンクを読んでください。相関係数が0.7よりも大きい(最大で1)場合に「強い相関」があるということができます。
ちなみに上記の完全失業率と自殺率との相関係数は、0.86ですので二つのパラメータの間には強い相関があるということができます。
ここで気を付けなければいけないのは相関関係というのはあくまでも相関関係であり、直接因果関係とは限らないことです。ただし、容易に想像がつく範囲で、仕事が見つからないことに絶望して自らの命を絶っていた人数が、失業率の改善によって救われているのではないかという仮定は考えられますよね。 そうだとすれば、景気改善はまさに人の命も救っていることになります。
この辺の因果関係の立証もできれば今後のブログ(一年後かも知れませんが)の記事にしたいと思います。
と、ここまで書いてこの辺をきちんと分析している記事を見つけたのでリンクを張っておきます。統計が若干古い(2012年まで)のですが、非常に参考になります。内閣府のレポートですね。
ここで気を付けなければいけないのは相関関係というのはあくまでも相関関係であり、直接因果関係とは限らないことです。ただし、容易に想像がつく範囲で、仕事が見つからないことに絶望して自らの命を絶っていた人数が、失業率の改善によって救われているのではないかという仮定は考えられますよね。 そうだとすれば、景気改善はまさに人の命も救っていることになります。
この辺の因果関係の立証もできれば今後のブログ(一年後かも知れませんが)の記事にしたいと思います。
と、ここまで書いてこの辺をきちんと分析している記事を見つけたのでリンクを張っておきます。統計が若干古い(2012年まで)のですが、非常に参考になります。内閣府のレポートですね。
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