植物たちも、寒いのが苦手なものもいれば、寒くても平気なものもいます。しかし、寒くても平気だとは言っても、一般的に冬場は活動が不活発になりますので、園芸としては特に作業することもありません。こんな冬場に植物たちはどうしているか近況をお知らせしましょう。
まずは、昨年の夏ごろにご紹介したビオトープのホテイアオイですね。以前にも書いたとおり、ホテイアオイは南方の植物なので、寒さには弱いです。通常は関東地方の冬は越せずに枯死してしまうのですが、今年はまだまだ頑張ってますね。今回の株は根を相当張っているので、持久力が違うかもしれません。そろそろ気温も上がってくるので、このまま行けばこの株は冬越しできそうです。鉢の中にはメダカがまだ健在のようです。
この鉢はリュービンタイですね。南西諸島や沖縄などに自生する南方系シダ植物です。寒さにはそれほど強くはないのですが、それほど弱くもないので、べランダでも何とかこんな感じで耐えています。ちょっと姿態がかっこいいので、最近インテリアなどで流行している植物ですが、ちょっと気を許すと葉柄を大きく広げ、室内だととても場所をとってしまいますので、気をつけましょう。
すっかり枯れたように見えるのは風知草です。この植物は本州の高原などに自生が見られますね。今は休眠期で、暖かくなると新芽が出てきます。夏になると涼しげな細葉が風に揺れて風流ですよ。
このモソっとした植物は、シダの仲間でシノブです。(実はJJはシダ植物が好きなのです)東京では夏になると夜店で「釣りシノブ」と称して、この植物にガラス製の江戸風鈴を吊り下げたのを売っていますね。これも最初は小さな株だったのに、こんなに大きくなってしまいました。これは常緑なので、台湾原産のトキワシノブですね。。
こっちは室内組です。寒さに弱い南方系観葉植物のハイドロカルチャーですね。
この辺の株はもう長い付き合いのものが多く、中には8年以上栽培しているものもあります。
木製棚上段の右側に見えるシダは前の写真のシノブを挿し木したものです。シノブは毛の生えた茎を延ばしますので、それを切り取って、発根させ、ハイドロカルチャーに仕立ててみました。
上段中央の薄緑の大きな葉はシンゴニウムです。熱帯性の植物で、サトイモの仲間ですね。
上段の左側はプミラです。これは比較容易に挿し木ができますので、どんどん増えてしまいますね。
これは去年購入したヘゴの赤ちゃんです。ヘゴというのは、南方製の木性シダで、小笠原や南西諸島などに自生しています。自生地では高さ10メートル以上にもなります。近場では伊豆半島の植物園(堂ヶ島洋ランセンターや熱川バナナワニ園)などでは、自生しているところも見られます。樹形は椰子のような感じですが、すっくと伸びたシダの幹の上部に葉の開いた様子はジュラ紀の森林を彷彿とさせますね。ヘゴの樹皮は加工して「ヘゴ板」として園芸資材としても活用されます。
JJがシダが好きなのは、何となく樹形が古代を思わせ、生態も原始的なところもあるのですが、なんと言っても、その芽の形態です。こうやって、ゼンマイのような芽が徐々に開いていって葉を広げていく様を見るのは心が癒されますね。
石ばしるたるみの上の早蕨の萌え出ずる春になりにけるかも
これは万葉集に納められた志貴皇子の御製ですね。早春のときめきと蕨の瑞々しさを非常にうまく詠みあげた名作です。この歌は新古今和歌集にも収録されていますが、ちょっと別バージョンになっています(石そそく垂氷のうへの...)。ちなみに、志貴皇子は天智天皇の皇子で、現在の天皇家の直系の先祖に当たります。
天気予報では明日から気温が上がり、春が近づくようです。
0 件のコメント:
コメントを投稿