2009年9月27日日曜日

本城直季さんの写真集「スモールプラネット」と本城直季風写真

JJは写真が好きです。中学校の時には写真部に入っていました。撮影するのも好きだったんですが、どちらかというと暗室で現像・引き伸ばしする作業自体にわくわくしたものです。いまでも写真を撮るのは好きですが、写真マニアとかカメラマニアというわけではなくて、出張に行った時などに、気になった風景を携帯(JJは今はiPhone使ってます)で撮影する程度です。このブログに掲載している写真はすべてJJが自分で撮影したものですよ。

それで、何ヶ月か前になりますが、品川の取引先に伺った帰りに、いつもは行かない書店に寄りました。そこで見かけたのが、本城直季さんの写真集「スモールプラネット」です。写真は風景写真(多くは都市の風景)なのですが、どう見てもミニチュアを撮影したものに見えます。しかし、良く見ると、どの写真も現実の風景をあたかもミニチュアに見えるよう巧妙に撮影したものであることがわかりました。

この写真集のことはその後頭から離れなくなり、先日同じ書店に行ってついに購入してしまいました。2,500円(消費税別)でした。買ってからしげしげと飽くことなく写真を楽しみました。もともと人工的である都市景観を模型のように表現することで人工である点をデフォルメして、一層人の心に訴えたかったのかもしれませんが、そういった小難しい理屈は一切抜きにして、見ていて面白いのです。

ここにに何枚か作品が掲載されていますので、ご覧になってください。

写真の世界も色んな表現が今まで考え出されてきましたが、「あっ!こんな手があったか」といった感じですね。別のサイトに本城氏の撮影技法に関して記載がありまして、「大判の銀塩カメラでアオリを使って撮影した後、デジタル処理をしている。」そうです。アオリというのは、ベローズ(蛇腹)みたいのを使ってカメラの光軸に対してフィルムを傾けて撮影する技法だそうで、高層ビル撮影時の遠近法の補正などに通常は使うようですが、ここでは、写真の中心部のみに焦点が合い、遠景なのにあたかも被写界深度の極端に浅い接写のような効果を与えています。

「JJもこんなのを撮ってみないなぁ~」と考えましたが、いいカメラも持ってないので、あきらめていましたが。ところが、この記事を書いているときに、ネットで検索したら、「本城直季」風ミニチュア写真作成ソフトというのが掲載されていましたので、それを使って、ちょっと使っていたずらをしてみました。

写真1:は北京の天安門です。二年位前に訪問したときの写真を加工してみました。模型っぽく見えますでしょうか?

<写真1:模型風天安門>

写真2:は7月に香港に行ったときにホテルの前で撮影したものです。こっちのほうがより模型っぽく見えますが、いかがでしょうか?

<写真2:模型風街頭(香港島銅鑼湾地区)>

撮影場所は香港島の銅鑼湾にある富豪香港酒店というホテルの前ですが、二階建て路面電車が折り返すためのループ線が設置されており、いかにも鉄道模型っぽい感じの作りだっだので写真を撮りました。本城氏も同じ場所で撮影されており、アングルは異なりますが、前述の写真集に収録されています。オリジナル写真はここで見ることができます。鉄道関係だと模型っぽいからミニチュア風写真には相性が良いようです。

ついでにもう1枚。これも写真2と同じ場所ですが、アングルが異なります。ごちゃごちゃした香港の町が何かの魔法をかけられてキッチュなおもちゃの世界になってしまったようですね。オリジナルの写真で上のほうにある建物がホテルで、JJは歩道橋の上からアングルを変えて二枚取りました。写真を撮ったのは写真集を見る前で、たまたま偶然です。

<写真3:模型風街頭(香港島銅鑼湾地区)>

まあ、まねっこはいくらでもできるのですが、最初にこういう写真の撮り方を考えた本城氏にはまったく感服いたします。

ちなみに、「本城直季」風写真作成ソフトはここからダウンロードしました。
みなさんも遊んで見られたらいかがでしょうか?

1 件のコメント:

  1. こんばんは。

    私も写真をやりますが、この手法は初めて気づきました。
    JJさんの加工された写真もミニチュアっぽくなっていますね。なんというかトイカメラで撮ったような被写界深度のミスマッチというか、面白い見え方がするものです。

    本家の作品はアオリを使っているだけあって「より自然な騙し絵?」な雰囲気を持っていて品質の高い騙し絵に見えます。

    デジタルの時代で解像度、周辺光量や歪がまったく感じられない時代だからこそのオトナの遊び方ではないでしょうか。

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